この記事では、発達障害のある人が仕事が続かない理由と解決策について解説していきます。
発達障害の方は脳に何かしらの影響を受けて、日常生活を含むさまざまな作業に支障をきたします。
また発達障害には自閉スペクトラム症、注意欠陥・多動性障害、学習障害、限局性学習症というように種類があって、人によって症状が異なります。
これらの発達障害を持つ人に共通するのが仕事が続かないという悩みです。
では発達障害のある人が仕事が続かないとされる原因は何なのか紹介していきます。発達障害を持つ人が仕事を続ける対策も紹介しているので参考にしてください。
この記事のテーマ
- 発達障害のある人が仕事が続かない4つの理由
- 仕事が続かないときの対処法
- 発達障害のある人が相談できる場所について
- おすすめの仕事の探し方
発達障害のある人が仕事が続かない4つの理由
発達障害のある人が仕事が続かないとされる原因は以下の4つ。
- 仕事を覚えられず何度もミスをする
- 長時間作業に集中できない
- コミュニケーションがうまくいかない
- 自分と周囲の価値観が異なる
4つの原因について、1つずつ解説していきます。
何度もミスをしてしまう
発達障害のある人は他の人に比べると物覚えが悪く、説明されたことが理解できないことが多いです。
例えば仕事をしていると上司に指示を仰ぐことがあります。その時に何を言われているのか正確に理解できず、あやふやなまま仕事をしてしまい、その結果ミスをするということがあるのです。
他にも発達障害の人の中には大学を卒業しているのに、簡単な計算ができない、文章を正しく読めない方もいます。
このような症状を持っている発達障害の方は、仕事で見落としをしたり、計算間違いや文章の読み間違いをすることもあるでしょう。
以上の点から発達障害の方はミスが多く、会社からの理解を得られずに仕事が続かないという方が多いようです。
集中力が続かない
仕事をする上でどんな人に対しても集中力は求められます。そのため障害を持っていない方も集中力が続かないという方もいるでしょう。
ただ発達障害を持つ方は、障害を持っていない方に比べると集中力が続かないと言われています。
発達障害のレベルによって異なりますが、興味のある特定の分野については集中できる人が多いです。一方で興味のない仕事をしていると集中力が持たず、その結果作業が遅れてしまことが多くあります。
以上のことから発達障害を持っている方は興味のある仕事をすると良いでしょう。そうすれば集中力が持続しやすく、会社に居心地の悪さを感じずに済むかもしれません。
会話が苦手
仕事をする上でコミュニケーションが最も大切といっても過言ではありません。仕事の指示を受けたり、分からないことがあれば上司に聞くことで仕事を覚えていきます。
しかし発達障害を持つ方の中には雑談の場に交わるのが苦手な方もいます。人と話すのが嫌だから会話を避けてしまいがちです。また空気を読めず、場違いな発言をして雑談の空気を乱すこともあります。
このように発達障害を持つ人は会話が苦手なので、会社から厄介な人物として扱われます。最終的には会社に居心地の悪さを感じて、仕事を続けられないと感じるようになるのです。
周囲と価値観が異なる
ここまで紹介したように障害を持っていない方と、発達障害を持っている方ではさまざまな面で異なります。
価値観が異なることが多々あるのです。
発達障害について会社が理解していると仕事内容を考慮してくれますが、そうでない場合は辛いと感じることが多いです。
例えば発達障害を持つ方の中には簡単な計算ができない方もいます。しかし発達障害のことを知らないと、「なんでこんな簡単な計算ができないんだ」と怒られるでしょう。
このように発達障害について理解していない会社だと、仕事が辛いと感じることが多く続かないです。
発達障害で仕事が続かない時の対処法
発達障害を持っていて仕事が続かないという方は以下の方法で対応しましょう。
- 会社に発達障害について伝える
- 仕事が続かないと感じる原因を探る
- 部署異動を申し出る
- 仕事を休職する
事前に会社に発達障害について伝えておく
会社に自分が発達障害を持っていることを伝えるのは非常に大切です。
これを伝えないと障害を持っていない方と同様の扱いをされます。そうすると他の人に比べて仕事が遅れる・ミスが多いと思われるでしょう。これが続くと上司に怒られたり、精神的に辛くなるので倒れるかもしれません。
そして会社に発達障害を伝えるのは早い段階の方が良いです。そのため面接の段階で伝えると良いでしょう。
発達障害に理解のある会社なら、発達障害を伝えても雇ってくれます。逆に良い反応をしない会社は、仮にそこで働くことになっても居心地の悪さを感じるので辞退した方が良いです。
仕事が続かないと感じる原因を探る
発達障害で仕事が続かないと感じる方は、何が原因でそう思うのかを考えてみましょう。
例えば仕事をしていてミスが多いという方は、どうすればミスをなくせるのか考えてみてください。そこからミスをなくすために、何をすれば良いのか解決法を見つけるとミスも減ってきます。
もしくは上司や家族など誰かに相談するのも一つの手段です。相談をすることによって、自分では考えつかないような意見をもらえることもあります。自分のミスを誰かに話すのは抵抗を感じるかもしれませんが、仕事を続けるためにも勇気を持ちましょう。
部署移動を考慮する
仕事が続かないと感じる原因を探ってみても改善しないこともあります。
その場合は部署移動をするのも良いです。会社によっては複数の部署があり、部署が変わるだけで仕事内容が変わるところもあります。
現在の仕事が合わないと感じるなら部署異動を申し出るのも良いでしょう。ただ大きな会社でないと部署の数が少ないこともあるので注意が必要です。
休職をする
上記の方法を使っても現状が改善しない場合は思い切って休職するのもおすすめです。
休職をすることで自分について見直すことができます。その結果今の仕事を続けるのか、それとも退職するのか考えるのも良いでしょう。他の会社に移ったほうが、仕事が続きやすい場合もあります。
もし自分一人では決めきれないという方は、発達障害について相談できる施設を利用することをおすすめします。
発達障害で仕事が続かないという悩みを相談できる施設
発達障害で仕事が続かないと悩んでいる方が相談できる施設は以下の3つ。
- 発達障害者支援センター
- 転職エージェント
- 心療内科・精神科
発達障害者支援センター
「発達障害者支援センター」は発達障害と認定された人やその家族が利用できる場所です。
職員に発達障害について悩んでいることを伝えると、解決策を一緒に考えてくれます。もしくは専門機関を紹介してくれるので、発達障害で仕事が続かないという悩みを解決してくれるでしょう。
また発達障害を持っている方の日常生活についても相談できます。発達障害があって仕事以外でも悩みがあるという方でも、発達障害者支援センターに相談してみるのも良いでしょう。
転職エージェント
転職エージェントは障害を持っていない方も仕事探しの方法として利用することが多いです。職員と話すことで自分の適性を見てくれて、それにあった仕事を紹介してくれるのでミスマッチが起こりにくいメリットがあります。
中でも発達障害を持っている方には障害者に特化した転職エージェントがおすすめです。通常のエージェントよりも障害についての理解があるので、悩みを相談することでアドバイスを受けられます。特に発達障害を持っていて仕事探しに苦労している方にぴったりです。
心療内科・精神科
心療内科・精神科は発達障害についてほぼ完璧に理解しています。知識が他の人に比べて深いので、より的確なアドバイスをもらえるでしょう。
ただ発達障害について専門的に見てくれる病院は予約が取れないことが多いです。いつまでも予約が空くのを待っていると、診察を受ける前に仕事で倒れるかもしれません。
まずは体調を最優先に考え、調子がよくないと思ったら仕事を休んででも診察を受けるようにしましょう。
ココがポイント
一人で抱え込まず、周囲に相談するのが大事!
発達障害のある人に向いてる仕事の探し方
発達障害のある人が一人で仕事を探すには限界があります。仮に仕事を見つけてもミスマッチを起こす可能性が高いです。
仕事探しができる以下の施設利用をおすすめします。
- ハローワーク
- 転職エージェント
- 就労移行支援事業所
これらの施設では自分に合った仕事探しができます。そのため発達障害で仕事選びに制限があるという方でも、自分にぴったりの仕事探しができるでしょう。
まず、ハローワークでは、求人紹介だけでなく職業相談にも乗ってくれます。費用もかからないので、お近くのハローワークに相談に行ってみるのも良いです。
次に、転職エージェントですが、主に求人紹介が中心ですが、ハローワークでは扱っていない、大企業の非公開求人も多くあるので、より条件の良い仕事を見つけることもできます。
無料会員登録するだけで非公開求人を探すことができますので、どういった求人があるか、チェックしてみるのもオススメです。
ただし、転職エージェントは複数あり、迷いがちです。下記記事で各エージェントの特徴をまとめましたので、転職エージェント選びの参考にしてください。
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最後に、就労移行支援事業所では発達障害のある人に適した仕事を紹介してくれます。それに加え、仕事探しに役立つスキルの習得やインターンの斡旋も受けられます。さらに日常生活における不安ごとの相談もできるのです。
さまざまなサービスを受けられる就労移行支援事業所を利用すれば、発達障害で不安に感じていることが解消されるでしょう。
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まとめ
発達障害の方が仕事が続かないと感じる原因は、簡単な仕事ができずミスが多いというのが大きいです。
対策としてミスが起こらないように原因を突き止めましょう。どういったところでミスをしやすいのか分かると、それに対して対策を打てるのでミスも減ります。
また発達障害の人が仕事をするには理解のある会社選びが重要です。会社が理解してくれた方が自分のペースで働けるので仕事を続けやすいでしょう。
そのためには一人では限界があるので、仕事探しを手伝ってくれる施設を利用しましょう。
施設の中には発達障害について相談できる場所もあるので、仕事の悩みだけでなく日常生活における不安も解消できます。
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