障害者の仕事

障害者枠での給料では生活できない?平均給与やその実態・解決策を検証

障害者枠での給料

障害者枠」で就職を考えていたけれど、「給料が低い」「生活できない」と噂を聞くと不安になりますよね。

この記事では、障害者枠で貰える給料で生活できないのは本当なのか、障害者枠の平均給料やその実態を、厚生労働省のデータをもとに解説します。

また、障害者枠の給料では生活できないときの解決法についても紹介するので、参考にしてみてください。

この記事のテーマ

  • 障害者枠で生活できない理由
  • 障害者枠の現状・実態
  • 障害者枠のメリット・デメリットについて

 

障害者枠で生活できない理由

障害者枠での給料

障害者枠では生活できない」と言われる一番の理由は、一般雇用と比べて障害者枠での雇用では給料が落ちてしまうという点です。

そのため、給料だけでは生活が苦しく、ダブルワークする人も少なくありません。

また、障害者枠で雇用されたときの仕事内容は極端に単調な作業なこともあり、やりがいをあまり感じられず、仕事を続けていくのが厳しいと感じる人も多くいます。

そして障害者雇用の大きな問題となっているのが、障害者枠で採用をしている会社で障害に対する理解が薄いという点です。

障害者枠といっても、人によって症状は異なり、仕事において何が大変なのかが違います。

障害者枠で生活できないと言われている理由は、お金の問題だけではなく働く環境にも問題があるためです。

ココがポイント

  • 障害者枠は一般雇用と比べて給料が低い
  • 会社側も障害に対する意識が低い

 

生活できないと言われる障害者枠の現状・実態

障害者枠での給料

平成30年厚生労働省の調査によると、障害者を身体・知的・精神・発達の4つに分類したとき、身体障害者を除く障害者の約80%は、契約社員など正社員ではない雇用形態で雇用されていることが報告されています。

雇用形態の現状とも関係しますが、障害者枠で稼ぐことのできる平均給料は、身体障害者を除く障害者では11〜12万円との調査も発表されています。

大学卒業後の初任給の平均が20万円と言われていることからも、障害者の平均給料がどれほど低いものなのかが分かります。

現在の日本では、障害者雇用促進法という法律があり、雇用する従業員のうち一定数を障害者枠で雇用しなければならず、雇用できなければ罰金が発生します。

会社としては、障害者を雇用することで国から助成金もおりるため、罰金を払わないためにも障害者枠での雇用をしなければならない現実があります。

法律のおかげで障害者枠雇用が活発になった反面、罰金を払わず助成金を手に入れるために、障害者雇用への理解や準備をしないまま障害者を雇用してしまう企業も少なくありません。

障害者雇用促進法は、良くも悪くも障害者枠での雇用に影響を与えています。

ココに注意

障害者枠の平均月収11〜12万円
(身体障害者を除く)

 

障害者枠のメリット・デメリット

障害者枠での給料

障害者枠で就職することにはメリットもありデメリットもあります。

良し悪しを理解し、障害者枠で生活をしていくか検討してみましょう。

 

障害者枠のメリット

障害者枠での雇用を積極的に行っている企業では、主に身体障害者にむけた設備が整っている企業があります。

例えば、車イスでも利用しやすいトイレが設置してあったり、企業自体がバリアフリー設計になっていたりすること等が挙げられます。

障害者枠で就職をすると、企業側やその企業に勤めている社員に対して、自分は障害者であることをオープンにして働くことになります。

オープンにすることによって、一緒に働く同僚や上司から、自分が働きやすいように配慮がもらえるのもメリットの一つです。

身体障害者であれば、移動が必要なときに手を貸してくれます。また知的・発達障害など内面の障害であれば、仕事が理解しやすいように説明してくれたり、仕事内容を配慮してくれたりします。このように障害者枠で働きやすいように配慮してもらえる企業も多くあります。

 

障害者枠のデメリット

障害者枠で働くことのデメリットとしては、障害者枠の現状でも説明したように、給料の低さが一番に挙げられます。給料の低さが顕著に現れるのは特に、身体障害を除く障害を持っている場合です。

給料が低くなってしまう原因として、1日8時間、週5日のフルタイムで働くのは体力的・精神的に厳しいことから、時間短縮での勤務になってしまうことが挙げられます。

また、正社員雇用の割合も低く、契約社員など期間限定の職についてしまうと、十分な昇給を受ける前に転職することになってしまい、生涯のトータルで見たときに給料が低くなってしまいます。

障害者枠で入社したとしても、会社内の理解や配慮がなく、仕事を続けるのが厳しいこともあります。

正社員雇用ではないこと、給料が低いこと、周りの理解や配慮が少ないことなど、さまざまな要因が重なることで、障害者枠では生活できないと言われています。

 

障害者枠で生活できない場合の解決策

障害者枠での給料

障害者枠では生活できないと感じたとき、どのように対処・解決していけば良いのか、3つの方法をご紹介します。

障害を持っていても、制度や働き方を考えることに生活していくことは十分に可能です。

 

障害者向けの制度を活用する

障害者向けの制度として、主に以下の制度が活用できます。

障害者向けの制度

  • 障害年金
  • 生活保護
  • 特別障害者手当
  • 障害者控除

障害年金では、規定となる障害があると認められた場合、毎月一定の年金を受け取ることができる制度です。病気や怪我で障害が残ってしまった時に受け取ることが多く、障害年金の受け取りには、年金を納めていたかどうかも大切なポイントになります。

生活保護は、生活するための収入や貯金がなく、生活が苦しい場合に受け取ることができる制度です。一緒に生活している家族に十分な収入がある場合や、生活していくのに困らないほど貯金がある場合には受け取ることができないため、障害年金よりは条件が厳しくなってしまいます。

しかし、障害者枠で働いていても生活するのに必要な額の収入がないと判断された場合は、不足分の受給ができるのが特徴です。

特別障害者手当は、介護が必要なほど重い障害があると認められた時に受け取ることができる手当です。生活保護等と同時に受給することも可能です。

障害者控除は、「本人や配偶者、または扶養親族に障害がある場合」に、一定の金額の所得控除を受けることができます。

日本では、障害者に向けた制度が多くあります。働きながらでも受給できる制度もあるため、さまざまな制度を知って賢く活用していきましょう。

ココがポイント

「障害者向け制度」の積極的な活用を!

 

在宅ワークや副業をする

IT化が進む現代では、パソコンだけで完結するような仕事や、企業としてリモートワークを積極的に取り入れている場合も多くあります。

自宅で、文章を書いたり資料を作成したりするなど在宅ワークや、隙間時間や休みの日の時間を活用して稼ぐことができる副業も人気があります。

デザインを書くことができるなら在宅でデザイナーもできますし、プログラミングができるならエンジニアとして在宅で仕事をすることも可能です。

特化したスキルがなくても、クラウドソーシングサイト等を利用すれば、商品モニターや簡単な文章の作成など、短い時間で稼ぐことのできる仕事も多くあります。

障害者枠で生活できないと困っている方は、在宅ワークや副業をすることも選択肢として考えてみましょう。

 

就職・転職エージェントを活用する

障害があって現在企業で働いていない、今の給料では生活できないと困っているなら、就職・転職エージェントを活用してみましょう。一般枠と障害者枠の両方の案件を取り扱っているエージェントはもちろんのこと、障害者枠に特化した転職エージェントもあります。

障害者枠に特化したエージェントなら、障害に対する理解もあります。自分はどんな仕事ができるのか、最低でもどのくらいの給料が欲しいのか、どのような雇用形態がいいのかなど、さまざまな条件から、自分にあった仕事を探すことができます。

また、エージェントを活用する時には担当者がついてくれることが多く、就職について、仕事について困っていることがあったら親身になって対応してくれるのも良い点です。

就職・転職エージェントの相談や登録は、パソコン1つで簡単にできるのも良い点なため、ハローワークに頻繁に足を運ぶのは大変という方も、気軽にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

ココがポイント

就職・転職エージェントを積極的に活用する

 

まとめ

障害者枠での給料

障害者枠は、一般就職枠と比較して給料が安く、今の日本の企業では十分な準備や配慮がされていない企業も多いことから、生活できないと言われているのが現状です。

しかし、障害者向けの制度を活用したり、在宅ワークや副業も視野に入れたりして検討することで、障害者枠でも十分に生活することは可能です。

就職・転職エージェントで相談しながら、どう仕事をしていくのか、どの制度を活用していくのか考えていきましょう。

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