就労移行支援事業所のおすすめをご紹介します。
「就労移行支援事業所」とは、障害のある方が一般企業へ就職するためのサポートを行っている施設です。
全国には約3,000以上の就労移行支援事業所があり、自分が暮らしている地域に密着したところに相談し、就業先を見つける流れが一般的。
同じ就労移行支援事務所でも、障害の種類や地域によっておすすめのところは異なります。
自分に合う仕事をスムーズに見つけるには、有料な就労移行支援事業所を見つけることがとても大切。ここでは、大手の就労移行支援事業所を徹底比較し、おすすめトップ3の魅力をくわしくご紹介します。
この記事について
- 就労移行支援事業所の選び方がわかる
- おすすめトップ3をくわしくご紹介
- 地域別のおすすめ就労移行支援事務所をご紹介
目次
【失敗しない】就労移行支援事業所の選び方
就労移行支援事業所は、障害や難病とうまく付き合うために自分に合ったところを見つけることが大切です。
つい有名どころや自分の家から近いというだけで選んでしまいがちですが、しっかりとこだわりましょう。
ここでは、事前にチェックしたい3点をご紹介します。
自分が必要なカリキュラムを用意しているか
就労移行支援事業所は個別プログラムを組んで、自分の障害に合わせた支援を受けます。
また具体的に就職先が決まっている事務所もあれば、決まっていないところも。たとえば事務職につきたいのなら、自分が希望する仕事に関するPC操作などのスキルを磨けるカリキュラムが用意されているところを選ぶことが大切です。
事務所によっては、事務職よりも軽作業職向きのカリキュラムが中心となっているところも。就きたい職に関係する知識を学べるところを選びましょう。
就職実績を明記しているところ
就労移行支援事業所によって、職種ごとの就職率や就職後に安定して働き続けている方の割を示す「定着率」に違いがあります。
中にはウェブサイトやパンフレットで、職種ごとの就職率・定着率を公開している事業所も!
あらかじめ自分が就きたい業種が決まっている場合は、ぜひ就職率と定着率をチェックし、その業種に就ける確立が高いかどうか実績を見てみましょう。
事業所の場所を確認する
もう1つ大切なのは、自宅から無理なく通えるところにある事業所かどうかです。
たとえば障害によっては長時間の移動や、公共交通機関を利用するのが苦手な方もいます。カリキュラムが自分に向いていても、毎日の移動が苦痛であれば就労移行支援を続けることが困難になる原因に。
できるだけストレスなく事業所に通えるように、立地と移動手段をチェックしましょう。
また、反対に公共交通機関を使った通勤の練習をしたければ、あえてバスや電車などを乗り継ぐ事業所を選ぶこともおすすめです。
就業移行支援事業所に通うために、交通費の補助をしているところ自治体もあるので、ぜひ調べてみてください。
就労移行支援事業所の大手15社を徹底比較
大手15社の就労移行支援事業所の事業所数や、就労実績などをまとめました。
※横スクロールできます←→
対象地域 | 事業所数 | 就労実績 | 定着率 | |
ミラトレ | 関東・大阪 | 12事業所数 | 98% | 80%(2018年/半年) |
LITALICOワークス | 全国 | 83事業所 | 1,384人(2018年度) | 88%(2018年度/半年) |
ココルポート | 関東・福岡 | 43事業所 | 1,290名(首都圏) | 89.4%(半年) |
atGPジョブトレ IT/Web | 東京 | 2事業所 | 3名(2019年度) | 開所間もないためデータなし |
シゴトライ | 東京・大阪 | 2事業所 | 52名(2017年度) | 90%(2017年度) |
リドアーズ | 東京 | 1事業所 | 15名(2017年度) | 93%(2017年度/半年) |
リンクビー | 東京・大阪 | 3事業所 | 不明 | 90%(半年) |
kaien | 関東・大阪 (パートナー事業所: 福島・宮城・長野・大阪・愛知) | 15事業所 | 1,000人(2015年) | 95%(1年) |
ウェルビー | 全国 | 71事業所 | 3,236名(2019年度) | 87.2%(2018年度/半年) |
ルーツ | 東京・神奈川 | 3事業所 | 33名(2020年度) | 78%(2020年度) |
フロンティアリンク キャリアセンター | 全国 | 10事業所 | 非公開 | 非公開 |
キズキビジネスカレッジ | 東京 | 1事業所 | 3名 | 不明 |
manaby | 東北・関東 | 19事業所 | 33名(2019年度) | 86% (半年) |
ニューロワークス | 東京・神奈川 | 2事業所 | 開所間もないためデータなし | 開所間もないためデータなし |
アクセスジョブ | 東北・関東・中部 | 8事業所 | 20名 | 非公開 |
全国展開しているところもあれば、東京のみのところもありさまざまです。
また、事業所によっては就労実績、定着率などの数値を非公開にしているところもあれば、設立から1年程度でまだデータがないところもあります。
この中で、改めて就労移行支援事業所の中でおすすめを3選ご紹介します。
就労移行支援おすすめ3選
一覧表で紹介した就労移行支援事業所のうち、おすすめトップ3つの特徴や魅力をご紹介します。
ミラトレ
参照:ミラトレ公式ページ
対象地域 | 関東・大阪 |
事業所数 | 12事業所数 |
就労実績 | 98% |
定着数 | 80%(2018年/半年) |
障害種別 | 精神・発達・知的・身体・その他 |
就労移行支援事業所の中で特におすすめしたいのがミラトレです。
ミラトレは今もっとも勢いがあるとされる、人気の就労移行支援事業所です。
人気のポイントは、なんと就職率約98%と高い数値を誇っていること。つまり入所したほとんどの方がミラトレに通い、就職に成功している計算です。
就労移行支援の中でも、就職率は8割を切るところもあり、さらにそこから一定期間就労を続けられる人の割合はさらに減ります。
ミラトレは、就職・転職サービスを多く運営しているパーソルという会社が運営している事業所。「テンプスタッフ」や「an」「doda」などCMでも耳にする就職系サービスを手がけていることから、就職に関する多くのノウハウを活かした支援を行っているのです。
ミラトレは2014年にサービスを開始した比較的新しい就労移行支援事業所ではあるものの、パーソルが運営する障害者対象の転職エージェントである「dodaチャレンジ」は2009年にスタート。
10年以上、障害者の就職支援を行ってきた老舗としての実績も持っているのです。
ミラトレとdodaチャレンジは連携しているので、両者の支援を受けられるところも就職率の高い理由と言えるでしょう。
また「臨床心理士」「社会福祉士」などの資格を持つスタッフが在籍しているのもミラトレの特徴。心に寄り添い臨床心理士などが在籍することで、就職の悩みを相談しやすく仕事に関する心の支えとなってくれます。
LITALICOワークス
参照:LITALICOワークス
対象地域 | 全国 |
事業所数 | 83事業所 |
就労実績 | 1,384人(2018年度) |
定着数 | 88%(2018年/半年) |
障害種別 | 精神・発達・知的・身体・その他 |
LITALICOワークスは一般企業への就職から、就業先の定着までのサポートを行っています。直接求人を紹介するのではなく、ハローワークや障害者就業・生活支援センターなどと連携していることが特徴です。
運営している株式会社LITALICOは、発達障害の子供の療育・学習支援サービスや、プログラミングロボット教室などの教育面の事業も展開しています。
LITALICOワークスの特徴は高い就職率と定着率です。「自分らしい働き方を見つけるため」のカリキュラムが用意されており、個人個人での自分に合う職種や働き方を見つける企業実習が充実しています。
学ぶだけでなく、全国4,500か所以上もの企業インターン先から気になる職業を体験できるので、満足のいく就職・転職を実現できます。
ココルポート(旧Melk)
参照:ココルポート
対象地域 | 関東・福岡 |
事業所数 | 43事業所 |
就労実績 | 1,290名(首都圏) |
定着数 | 89.4%(半年) |
障害種別 | 精神・身体 |
ココルポートは就労実績はもちろん、定着率が94%とかなり高い数値が発表されている就労移行支援事業所です。
その定着率の高さは、1人1人に合わせえた個別支援にこだわっていること。
個人に合わせた課題をスタッフ全員が解決に向けてカリキュラムを制作し、取り組んでいくことを大切にしています。
さらに交通費や昼食の支給、ドリンクサーバーの用意など、通所しやすい環境も整えられています。
【障害種別】おすすめの就労移行支援をご紹介
就労移行支援事業所は、事業所によって支援を得意としている障害の種類に違いがあります。
ここでは、「障害種別でおすすめの就労移行支援事業所」をご紹介します。
atGPジョブトレ IT/Web
参照:atgpジョブトレ
対象地域 | 東京(渋谷・秋葉原) |
事業所数 | 2 |
就労実績 | 3名(2019年度) |
定着数 | 開所間もないためデータなし |
障害種別 | 精神・発達・知的・身体 |
本格的なWebデザインを学べる、新しい就労移行支援施設として注目されているのが「atGPジョブトレIT・Web」です。
同じウェブデザインやIT系知識を学べる専門学校をデジタルハリウッドが全面支援しています。授業ではアドビのイラストレーターやフォトショップなどを使い、デジタルハリウッドの動画教材を観ながら課題に取り組みます。
障害は精神、発達、知的、身体と幅広い方の利用を受け付けています。
プログラミング言語のJavaScriptやPHPなども授業にあり、ウェブデザインからプログラマーまで、PCを駆使した就職に役立つ知識を専門的に学べるのが特徴。
デジタルハリウッドのWebデザイン教育ノウハウと、障害者転職支援に携わるゼネラルパートナーズの就労支援ノウハウを合わせており、2019年に開設したばかりながらすでに全国から多くの参加者が集まっています。
シゴトライ
参照:シゴトライ
対象地域 | 東京・大阪 |
事業所数 | 2 |
就労実績 | 52名(2017年度) |
定着数 | 94.4%(2017年度) |
障害種別 | うつ病専門 |
シゴトライはうつ症状専門の就労移行支援事業所です。
精神的なケアを中止としたプログラムを組んでおり、就労に向けての対人関係に自信をつけるグループワークや、ストレスの対処法を学ぶストレスマネジメント研修などを学びます。
直接仕事にかかわるスキルとして、ビジネスマナー研修や、ワードやエクセルを使ったPCスキル習得用のカリキュラムも用意。
事業所は現在大阪と秋葉原の2つですが、その定着率は90%と非常に高いです。
うつ症状と付き合いつつ、長く働くことを徹底的にサポートすることを大切にしているからこその、高い定着率と言えます。
リドアーズ
参照:リドアーズ
対象地域 | 東京 |
事業所数 | 1事業所数 |
就労実績 | 15名(2017年度)% |
定着数 | 93%(2017年/半年) |
障害種別 | 統合失調症 |
リドアーズは統合失調症の方に向けた、就職支援サービスです。国内唯一の統合失調症の方専用の事業所として、2016年に設立しました。
在籍するのも同じ障害で悩む人が集まるので、スタッフや周囲とも悩みを共有しやすいです。同じような経験や悩みを聞いてもらえる環境にいられるので、心の癒しやサポートにもなってくれる事業所です。
また、リドアーズでは統合失調症で実際に社会で活躍する人がピアサポーターとして講義をしてくれます。同じ悩みを持つピア(仲間)のリアルな職場での様子や声を聴くことができ、就労後のイメージを前もって知ることができるのです。
統合失調症に寄り添った事業所だからこそ、就労後の定着率は93%と非常に高いのもリドアーズの特徴。普段のカリキュラムや、就職したあとに定着するための支援がしっかり用意されている施設であることがわかります。
リンクビー
参照:リンクビー
対象地域 | 東京・大阪 |
事業所数 | 3 |
就労実績 | 不明 |
定着数 | 90%(半年) |
障害種別 | 発達 |
リンクビーは、自閉症スペクトラム、アスペルガー症候群、ADHD、LDなど発達障害の方向けに特化した、就労移行支援事業所です。
専門特化しているからこそ、発達障害の特性や課題を深く理解し効果的な支援を実践しています。事務職の仕事を中心にした実践的な職業トレーニングから、適正ある仕事を発見。また、コミュニケーションの訓練も実践に近い職場のような設定でスキルを学べます。
運営しているのは障害者就職の求人転職情報や、雇用支援サービスを展開しているアットジーピーです。
就職に向けてのスキルを学びつつ、アットジービーの情報網を活かしたダブルのサポートで、東京都と大阪府で、定着率90%という高い実績を誇っています。
【地域別】おすすめの就労移行支援をご紹介
就労移行支援事業所は、地域によって違いがあります。
特に数が多い東京都、大阪府の中でおすすめのところをご紹介します。
東京でおすすめの就労移行支援
東京都内は就労移行支援事業所が全国的に見ると数が多いです。
だからこそ、選ぶのなら自分が通いやすい場所にあるか、また希望するカリキュラムがあるのかきちんと見学し、自分に合うところを選ぶことが大切。
東京でおすすめなのは、前述しましたが、「ミラトレ」「ココルポート」の2つ。
ミラトレは就労実績98%と、ほぼ全ての人が職に就けています。国内屈指の実績です。東京周辺でどこを選ぶか迷ったらミラトレを選べば間違いないでしょう。
また、ココルポートも首都圏42箇所に事業所があり、屈指の事業所数を誇ります。また、就労実績も2019年は首都圏で1290名と、多くの障害者が就職するのに利用していますので、実績は十分です。
大阪でおすすめの就労移行支援
大阪は東京に次いで、就労移行支援事業所が多くあります。
その中でもおすすめの事業所をいくつかご紹介します。
大阪・関西周辺でおすすめなのが、「LITALICOワークス」「ウェルビー」です
LITALICOワークスは2021年現在、大阪・兵庫・京都に19事業所を構えます。就職相談会も定期的に行っており、一人一人に寄り添ったサポートをしてくれるのでとても信頼ができる事業所です。
また、ウェルビーも関西に9事業所を構えていますので、通いやすいです。定着率も90%を超えており、サポート体制も整っています。お近くに事業所があれば見学してみるのもアリです。
その他、地方のおすすめの就労移行支援
地方にも就労移行支援事業所はあります。
ただし、東京・大阪に比べると残念ながらそれほど数は多くありませんが、全国展開しているところを中心にいくつかご紹介します。
地方でおすすめなのは「LITALICOワークス」「ウェルビー」です。どちらも全国展開を行なっており、地方にも事業所を構えます。
それぞれのホームページを確認し、お近くの事業所に相談・見学予約を行なってみてください。
就労移行支援の利用から就労までの流れ
就労移行支援事務所を利用するにあたって、どんな流れで仕事を探すのか大まかな手順をご紹介します。
事務所によって少し違いはあるものの、前もって知っておくことで利用がスムーズになります。
利用の流れ
- メールや電話で問い合わせる
- 見学をする
- 申請・契約をする
- 個別支援プログラムを受ける
- 就労先を探す
- 就職が決定
上記の流れになります。
1つずつ確認していきましょう。
メールや電話で問い合わせる
気になる就労移行支援事務所を見つけたら、まずはメールや電話などで連絡してみましょう。
電話をしておくことで疑問点やわからないことを質問できるので、安心して利用できます。
また、見学を受け付けている就労移行支援事務所もあります。自分の就職先を見つけるサポートをしてくれる大切な事務所なので、可能であればぜひ見学を申し出てみてください。
相談の日時を予約しておけば、待ち時間が少なくスムーズに話を進めてもらえます。
見学をする
見学では実際に施設内で、スタッフからサービスの説明を受けます。
また実際に、就労のためのトレーニングを行っている様子を見学できるところもあります。
基本的に見学は予約制となっているので、事前にメールや電話で連絡しておきましょう。
申請・契約する
利用したい就労移行支援事務所が決まったら、個別支援プログラムを受けるために契約手続きをします。
契約の際は、お住まいの行政窓口に就労移行支援を利用したい旨を伝え、必要書類を用意し申請しましょう。
その後、障害福祉サービス受給者証が発行されるので、利用先の事業所と契約を行う流れが一般的です。
個別支援プログラムを受ける
事業所の利用がはじまったら、まずは事業所スタッフによる「個別支援計画」が作成されます。
その人の障害や悩み、希望の業種などに合わせて、支援計画を練っていきます。個別支援プログラムが完成したら、就職を目指してカリキュラムを行っていきます。
事業所に通う頻度は、事業所やその人の希望や障害などのスタイルによって違いがあります。事業所の利用料金は世帯収入によって分けられており、収入状況によっては無料で通所も可能です。
そのほか条件によって減免があるので、行政に確認しておきましょう。
就労先を探す
プログラムを進めている間に、就職活動を少しずつはじめる方もいます。
直接職場に見学に行ったり面接を受けたりして、就業先を決めていきましょう。また、事業所によっては企業の方が訪問し、その中からスカウトを受けるケースもあります。
就労が決定
就職先が決まったあとも、就業移行支援事業所によるサポートが続きます。入社したあとは慣れない仕事と人間関係で、ストレスや悩みを抱えがち。
新しい環境になじみ、安心して働けるようにスタッフは面談や電話相談で本人の悩みを機器、アドバイスをしたり職場環境の整備を依頼したりと、双方の間に入りサポートを行ってくれます。
就労後も適度な支援を続けることで、早く職場になじみ安心して定着して働ける近道となります。
まとめ
就労移行支援事業所は東京と大阪を中心に、全国各地で運営されています。
「障害を理由に、なかなか職場になじめず働き続けられない」
「就職先がうまく見つからない」
「自分の適職がわからず、どの仕事を選べばいいのかわからない」
そんな悩みを専門のスタッフがサポートしてくれるのが、就労移行支援事業所です。
就職に向けて、まずは自分の障害や希望のカリキュラムを学べるところを探し、見学に行ってみてはいかがでしょうか。
どこに見学行くか悩んだら、おすすめで挙げた3つの中から通いやすいところを選んでみてください。